【人事マネジメント】掲載:『社員の健全な仕事観と当事者意識の醸成法』

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コダマモチベーションコンサルティング田村です。
先月、雑誌での『人事マネジメント』にて
『社員の健全な仕事観と当事者意識の醸成法』というテーマでコラムを掲載致しました。

読めなかったというお言葉を多くいただきましたので、
記事内容を以下に掲載致します。

第1回目 社会人の健全な価値観と仕事観の醸成
昨今、会社の不祥事、若年層の不健全な振る舞い、アルバイトスタッフによるコンプライアンス違反などを、報道でよく耳にします。
これらの原因は、恐らくやってはいけない「基準」を知らないからではないでしょうか。
私は、若年層の研修会において、まず「皆さんがご存知ないことはお教えします。
気づいていないことは、伝えます!」というフレームワークをきちんと理解していただき、そこから研修を立ち上げます。
もう、20年余り、40種類前後の企業研修会を実施して参りましたが、これからお伝えすることが全ての土台と信じ、
いままで計4万人以上の方々へお伝えして参りました。

1、健全な価値観とは何か
価値観とは、どのようなものの見方や考え方を持っているのかという「物事の判断基準や優先順位付け、
または何に重きを置いているのか」ということだと思います。
そして、健全とは「それが三方良し」であるということです。
つまりは、1世の中のお役に立つこと、②顧客(周囲)のお役に立つこと、2自社(自分)にプラスになること、です。
そして、健全な価値観が宿るには、親御さんの躾・教育・影響が何よりも大きいと思いますが、私たち人間は持って生まれた天命もあるような気がします。
それを前面に打ち出してしまっては、弊社のような教育研修会社は、世の中に不要な存在になるわけですから(笑)、あまり声を大にできません。

しかし、私は企業研修の朝一番で、「人は、そんなに変わりません。三つ子の魂百までといいますね。また、二度あることは三度あるともいいます。いいえ~もっとありますよ。気づかなければ、四度も五度も気づかない限り続きます。ですから、よっぽどの出来事を経験しないと人は変わりません!」
(シーン・・・  では、研修会なんて無駄じゃないか!という声が聞こえてきそうですが)
「しかし、もう一つ答えを持っています!
『本当に自分は成長したい、変革したい、ここを改善したい、またはここを伸ばしたい』と本気で思い、そして愚直に実行した人だけが変わります!!!」
「それでは、講師、どっちですか!?」という声が聞こえてきそうですが、経験上「両方あると私は思っております・・・。どちらに成るかは、ご自身次第ということですね」 こんな講義をすることがあります。

(1)健全な仕事観とは
仕事をすることは、私たちが人としての人格を形成するうえで非常に大きな要因となります。
どのような考え方や意識で仕事をとらえているのかによって、恐らく仕事の仕方も変わります。
繰り返しますが「仕事をする・・・」ということが人格形成につながり、人として成長をして行くわけです。つまり、仕事は「成長の場、人格形成の道場」といっても過言ではありません。

私たちは、仕事を通し成長し、そして上司・同僚・部下、お客様、お取引先様と関わり、人間関係構築能力を向上させています。仕事を通し、自分を認識し強みを活かし弱みを改善しようと努力するわけです。すなわち、そのこと自体が「成長」になるわけです。

また、ただ単に漠然と仕事をする、あるいは生活のためだけに仕事をするということよりも、この仕事(目標)を通し自己成長する、会社の目標へ貢献する、お客様へ貢献する等の意識・考え方を持つことが大切です。  また、仕事があって当たり前ではなく「有難い」と感じ、職場の皆とチームワークを形成しながらの「良い職場作り」が、良い仕事へとつなげていきます。その価値観が、健全な仕事観といえるでしょう。私たちは、仕事を通じて成長し、納税をすることで国家に貢献しているのです。

(2)健全な人生観とは
人生は一度しかありません。「両親から授かったこの命を何のために燃やすのか、自分自身をどう活かすのか」などと考えることは節目・節目で大切です。
世の中のお役にたつ、人に貢献する、少しでも喜んでもらうことをやる、幸せに生きる、人生を楽しむ、健康で笑顔を絶やさない・・・などは健全な考え方です。

しかし、人生は紆余曲折、山あり谷ありで楽しい幸福感のみを感じるわけではありません。
人それぞれ様々な問題があるでしょうし、問題は絶えないかもしれません。それを、どのように考え、どのように対応していくのかは、その人の人生観です。

健全な人生観とは、どのような状況でも前向きにとらえ「世のため、人のため、自分のため」に三方良しで生きる考え方です。人生は「考え方次第」で決まります。しかしながら、「言うは易し行うは難し」です。更に、自己研鑽を積み、健全な人生観を醸成しましょう。

(3)健全な人間観とは
ごく稀に「私は、人があまり好きではありません。人と接することが苦手です。人混みが嫌で・・・」等という方がいます。
講義でも申し上げますが、本当にそうであれば、無人島で1人で暮らすことが一番ストレスは無いでしょう。
しかし、現実はそのようなことは出来ません。人は人との間で生きるから「人間」なのです。

一方、考えてみると私たちは歴史を継ぐために人間として生まれてきたのではないでしょうか。
私たちは、両親からこの世に誕生しました。当たり前ですが、両親がいなければ自分の存在はありません。
そのような人間誕生の原点を考えると「何が大切なことなのか」を立ち止まって考えることもあります。
一方、価値観ですから押し付けや強要はできません。
しかし、社会、会社・職場で合う(通用する)健全な人間観はあるのではないでしょうか。

人に優しく、人に思いやりを持つ、ご縁があって共に働く方々と「仲良く仕事をする」、お世話になった人にお礼をする(返報性)、「ありがとうございます」と常に思い伝えるなどが健全な人間観です。

そして、身近な人、特に配偶者・子供・両親・兄弟・祖父母を大切にすることが、この健全な価値観醸成には非常に重要です。
(または、生き物を大切にすることなど)社員の皆さんには、今一度、自分自身の人間観を見つめ直し、自分自身の改善点に気づいてもらうことが、
全ての教育の原点になります。
同時に、社会人教育で大切なことは「一貫性と継続性」です。予算がとれたから研修を実施する、
今期は業績が厳しいから実施出来ない、ということよりも、経営理念に従った長期的な「人事ビジョン」を明確に持ち、そこ向かうことが重要です。

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